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ビューティ業界での経験を持つトップが語る戦略とは

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1987年創業のベルギー発バッグブランド「キプリング(KIPLING)」が2019年春夏シーズンからリブランディングする。18年1月に就任したヴェラ・ブリューワー(Vera Breuer)=グローバル・プレジデントの指揮の下、ミレニアル戦略にシフトし、これまで地域別に行っていた打ち出しや商品デザインを、新ブランドコンセプト“Live.Light”を掲げてグローバルに統一したメッセージを発信する。

私だけの力ではなくチームとして達成したことだと思っているが、これまで地域ごとに成長してきたブランドを統一することに注力してきた。これが私の最大のミッションでチームも1つにしたし、製品も発信するメッセージも1つにした。

かなり違った。これまでは各地域の情報を統合していなかったし、ロゴも製品もバラバラだった。クリエイティブ・ビジョンを設定することで製品がどうデザインされるべきか、消費者にどういうメッセージを発信すべきかのガイドラインが定まったように思う。それに伴いストアコンセプトも変えた。すごく充実した11カ月だった。

クリエイティブ・ビジョンの設定などは私が就任する前から進んでいた。私が就任してからはチームを招集して、すでに決まった戦略をどう実行に移していくかを考えるところから始めた。また、デジタル改革は強化すべき課題だった。ブランドとしての最大のショーケースはデジタルだから、デジタルチャネルをどう定義していくかは重要だ。

「キプリング」をグローバルブランドにすることと、カジュアルバッグのゾーンでリーダーになること。それに伴い、今回新たに“Live.Light”というスローガンを掲げた。これは“自分らしく生きて、輝く”という意味。Lightはブランドの強みである“軽さ”もかけている。そしてLiveとLightの間にある緑のドットは、ブランドのヘリテージを表し、ヘリテージが“自分らしく生きる(Live)”と“輝く(Light)”をつなぐ役割を果たしていることを表現した。

ピンクを生き生きとしたライトグリーンに変更した。ピンクだった時代は必然的にウィメンズがメーンターゲットになっていたが、リブランディングでグリーンを採用したのはユニセックス感を強める意味もあった。

バック・トゥ・スクール(学校生活において必要となるアイテム)のビジネスが強く、若い顧客が多いから今後はミレニアルズに注力していく。一方でロイヤルティーの高いマザー世代もたくさんいて、この層をキープしつつ、ミレニアル世代を新規に取り込む必要があると考えている。

ストーリーがあってデザイン性の高いアイテムを展開する。また、自己表現ができるようなカスタマイズを体験できるスペースを店内に設ける。アーティストとのコラボレーションも積極的に行う予定で、19年もコラボ企画を予定している。

デザインチームが手掛けていて、私が入社するタイミングで「ケイト・スペード ニューヨーク(KATE SPADE NEW YORK)」や「トゥミ(TUMI)」で経験を積んだ人をリクルートした。これまで地域ごとにまちまちだったデザインは、ニューヨークにいる彼女を中心としたデザインチームが手掛ける。その他にトレンドスカウターをアジアに置いている。なぜならアジアは大きなマーケットでもあり、アジアからトレンドが生まれていると考えているから。

人生の中でリブランディングに携われる機会はそうそうないと思ったから。また、18年間ビューティ業界にいたから何か違うことをするのもいいかなと思った(笑)。

ターゲット層は同じだから大きな違いはないと思っている。ミレニアルズは特に。ビューティでもバッグでもミレニアルズの支持を得たいなら、ストーリー性やエンターテインメント性があって、特別な体験ができないといけないし、彼らのデジタルに対する好奇心に応えないといけない。新コンセプトの店舗を作るときにはビューティ業界からヒントを得た。ビューティの店舗は、来店してすぐ色とりどりのリップを試して楽しむスペースがある。その応用で、「キプリング」の新店舗にはさまざまなアクセサリーを設置した。また、ビューティには店舗の奥にタッチアップのスペースがあるように、「キプリング」にはカスタマイズできるスペースを用意した。ビューティは顧客体験を学ぶには非常にいい先生だと思うし、最先端のテクノロジーを使っていて学ぶことがたくさんある。